甘いチョコレートの発明の裏には甘い恋物語があった!チョコレート誕生物語 | 今日の雑学

甘いチョコレートの発明の裏には甘い恋物語があった!チョコレート誕生物語

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チョコレートと人類の歴史は約4,000年にものぼります。チョコレートの原料であるカカオはメソアメリカで紀元前2,000年頃から栽培されていたそうです。

はじめは家畜の餌として利用されていたカカオですが、次第にすりつぶすなどして飲み物として扱われるようになりました。その頃のカカオは大変な貴重品で、王侯の飲み物であったほか、お金の代わりでもあったそうです。

そしてヨーロッパで起きた大航海時代の後に世界中に広まっていきました。

しかし、これほど長いチョコレートの歴史の中で、今のように甘くて美味しい「食べるチョコレート」は、19世紀後半、せいぜい100年ちょっと前に発明されたものなのです。

カカオはとても苦いものです。嗜好品というよりは、健康に良い薬のようなものとして扱われていました。16世紀頃にヨーロッパに渡ったカカオは、嗜好品としてはコーヒーや紅茶ほどの人気は出ませんでした。この状況を大きく変えたのが食べるチョコレートの発明です。

食べるチョコレートが作られる最初のきっかけはバンホーテンのココアパウダーです。1828年にバンホーテンはチョコレートパウダーの特許を取得しました。現在でも世界的に有名なココアの誕生です。

カカオは油分が強く、飲み物としてもドロドロとして飲みにくかったのです。バンホーテンのチョコレートパウダーはカカオの油分を54%から28%まで減らし、お湯に溶けやすいようにしたものです。

バンホーテンの発明で脱脂の処理によりココアとココアバターが作られるようになりました。

1847年、イギリスのフライ社がカカオのペーストと砂糖、そしてココアバターを混ぜて成形し、食べるチョコレートを作りました。バンホーテンの発明が食べるチョコレートになったわけですね。

しかし、このチョコレートはとても苦く、まだまだ人気は出ませんでした。その後、チョコレートが爆発的に普及させたのは現在でもチョコレートの生産シェアの8割を占めるミルクチョコレートの発明によります。

ミルクチョコレートを発明したのはスイスのダニエル・ピーターという人です。ピーターはロウソク職人でしたが、スイスで初めてチョコレート工場を作ったフランソワ・ルイ・カイラーの娘に恋をし、チョコレート職人となることを決意します。

1876年、ピーターはカカオペーストと砂糖、ミルクを混ぜて乾燥させ粉末にし、さらにココアバターと混ぜて、ミルクチョコレートを作りました。ピーターはもともとロウソク職人であったため、成形の技術に優れていて、その技術がチョコレートにもとても役に立ったそうです。

ミルクチョコレートの発明によって、現在のような甘くて美味しいチョコレートが作られるようになり、チョコレートが嗜好品として爆発的な人気を得るようになっていったのです。

17世紀には1,000トンにも満たなかったと言われるカカオの生産量も現在では250万トンにもなり、チョコレートは世界で最も愛れる嗜好品となったのですが、その裏にはミルクチョコレートの発明があり、そして、甘い恋物語があったというわけです。

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