数の子は人工的に切れ目をいれているわけではない

食物の雑学
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正月のおせち料理に欠かせない数の子。パリパリ、コリコリとした食感でおいしい高級食材ですね。

僕はコリコリ食感が好きで正月以外にも数の子を食べることがあるんですが、質の高い数の子は正月用として出回ることが多く、正月以外に近場のスーパーで売っている数の子はふにゃふにゃ食感の味付け数の子ばかりなのでこの時期に食べる数の子は楽しみなのです。

ところで、数の子って細かくひだが入っていて房のようになっていますよね。上に掲載している画像でも切れ目のようなものが入っているのがわかると思います。

数の子を食べながら妻と話していたところ、この数の子の形について、味が染み込みやすいように人工的に切れ目をいれていると思っていたようなんです。そこで、ネットで調べてみたところ、Q&Aサイトで、「数の子の切れ目は元からあるのか、人工的なものか」という質問があって、元からあるという意見と人工的なものと言う意見が真っ二つに別れていたのです。

どうやら世の中にはあの数の子の切れ目が人工的なものだと思っている方も多いのだなとわかったので、ここで記事にすることにしたのです。

答えはタイトルですでに書いていますが、数の子は人工的に切れ目をいれているわけではありません。

数の子は鰊(にしん)の卵ですね。卵の粒の一つ一つはとても小さいのですが、まとまって細長い一つの塊になっています。出産のときには1粒ずつバラバラになりますが、出産前の鰊の腹を開けると塊のまま取り出すことができるのです。

この鰊から取り出した卵の塊の時点ですでにひだが入って房に分かれています。その理由ははっきりしたことは不明ですが、卵が小さいうちは房になっておらず、出産が近づくに連れて次第にひだが入り分かれていくのです。そのためサイズの小さい数の子は切れ目が入っていないこともあります。

塩数の子のような調理前の数の子を買ってくると数の子の表面に薄皮がはっていて、それを見ると数の子の切れ目は人工的なものでなく元から自然にそうなっているのだということがわかります。

ただ、あの切れ込みは味が染み込みやすいとか食べやすいというメリットも確かにあるので、調理済みのものしか食べたことがないと人工的なものと思っても仕方ないかもしれないですね。

最近ではバラバラになったクズの数の子を型で形成した安価な数の子も多く出回っています。その場合には切れ目は人工的に作ったものですね。

ちなみにですが、数の子って鰊の子なのになぜ数の子というか知っていますか?鰊は別名カドイワシと呼ばれ、カドの子が変化して数の子になったという説が有力だそうです。