猫よけに水入りのペットボトルを置くのは効果なし!元はエイプリルフールの嘘なんです

社会の雑学
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水を入れたペットボトルを置いておくと野良猫が怖がって近寄らないという話を聞いたことはありませんか?もしかすると試したことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。もし聞いたことがなくても家の周りや庭の入口に水入りのペットボトルを置いているところは見たことがあるのではないでしょうか。

しかし、猫よけに水入りのペットボトルを置くのは全く効果がありません。

思い返してみれば、水入りのペットボトルはよく見かけるのに、実際に猫が怖がっているところは見たことがありません。それどころか近くを平気で通り抜けたり、夏などは涼しいのかペットボトルに体をくっつけている光景すら見かけます。

では、なぜこんな全く効果のない猫よけのペットボトルが広く信じられるようになったのでしょうか?

今から遡ること30年ほど前、ニュージーランドでの話です。ラジオ番組にカリスマ庭師であったエイン・スカロウという人物が「庭に猫や犬がきて糞害で悩んでいるなら、水入りのペットボトルを転がしておくと犬や猫が寄ってこない」という対策を紹介したのです。

これによりニュージーランドでは犬・猫よけに水入りのペットボトルを置くことが普及し、これがいつしか日本にも入ってきたのです。さらに最近は全く見かけませんが、昔はテレビなどでも猫よけに水入りのペットボトルが効果があると紹介されたりしていたので、全国で広く行われるようになりました。

しかし、この話にはオチがあって、最初に水入りペットボトルの話をしたスカロウ氏自身が「エイプリルフールの嘘だった」と明かしているのです。なので、まったくの思いつきの嘘だったのに、いつの間にか「猫はキラキラする光の反射が苦手」などのもっともらしい理由が後付されて広まってしまったのです。

ところで、水入りのペットボトルを家の周りなどに置く行為ですが、猫よけに効果がないだけならまだよいのですが、条件が重なると火災の原因となることもあります。

子どもの頃に虫眼鏡で黒い紙などに光を集めて火が起こる実験をしたことはありませんか?水入りのペットボトルも光を屈折させるので、光が集まって高熱になることがあるんです。

こうした原因の火災を収斂火災といって、実際に日本でも水入りのペットボトルが原因で発生したとされている火災の例があるんです。もちろんかなりレアなケースではあるのですが、危険性はゼロではないんですね。

それにしても、エイプリルフールの嘘は嘘とわかりやすくて笑えるジョークにしておいてほしいものです。まさか本人もここまで嘘が広がるとは思っていなかったのでしょうけど。