女の子のお祭りと言えば3月3日の雛祭り。雛人形を飾って女の子の健やかな成長と幸せを祈るお祭りですね。
我が家には5歳と0歳の2人の娘がいます。1人目が産まれたときに雛人形を買って、毎年飾っています。今どき女の子の健やかな成長と幸せを祈るのに「=結婚」という価値観もどうかとは思いますが、まぁ、伝統ですからね。
ところで、毎年飾るときになって「アレ?どっちだっけ?」と悩むのですが、雛人形のお内裏様とお雛様はどちらが右でどちらが左かって知っていますか?
近年販売されている雛人形の多くは正面から向かって左側にお内裏様を、向かって右側にお雛様を配置するようになっています。まさにこの記事の上の写真のような感じですね。
ところが、この左右は昔は反対でした。
日本では古来から左側が上座にあたり、結婚式などで男女が並ぶ場合には上座にあたる左側に男性が位置するのがしきたりです。なので正面から向かってみると右側がお内裏様、左側がお雛様となるわけです。
これが逆になったのは大正時代のこと、大正天皇が西洋文化の考え方にならってそれまでの左上位をやめ、右側に立ったことがきっかけだと言われています。雛人形はもともと天皇家を中心とする宮中の貴族の姿を模したものですから、天皇陛下が右側に立つのであれば雛人形もそれにならうということなのでしょう。
男性が右側に立つのは明治からの近代化の流れで西洋文化をどんどん取り入れていた事が理由なんですね。
ところで、この記事では男雛をお内裏様、女雛をお雛様と書いていますが、これはもともと誤りです。お内裏様の内裏とは天皇の御所を指す言葉で、男雛・女雛の1組で内裏雛というのが正式な呼び方です。そして、お雛様というと雛人形全体を指すと考えるのが普通でしょう。
ではなぜ男雛をお内裏様、女雛をお雛様という誤用が広まったのかというと、サトウハチローの作曲した有名な童謡「うれしいひなまつり」がきっかけと言われています。サトウハチローが間違えた理由は不明ですが、この曲では男雛と女雛をお内裏様とお雛様としており、この曲が広く知られるようになるとともに誤用が広まったものと考えられているそうです。