日本では片面しか印刷していないお札が発行されたことがある | 今日の雑学

日本では片面しか印刷していないお札が発行されたことがある

お金の雑学
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1927年(昭和2年)、片面しか印刷されていない二百円札が発行されました。これは世界でも類を見ないもので、裏白札(うらしろさつ・うらじろさつ)とも呼ばれています。

当時の日本では、第一次世界大戦とその後の関東大震災の影響で多くの金融機関が不良債権を抱え、金融不安が広がっていました。そんな折、時の大蔵大臣・片岡直温が国会で「東京渡辺銀行が破綻した」ことにより取り付け騒ぎがおこりました。このときの片岡蔵首の発言は間違いで、実際には破綻はおきていませんでしたが、この失言により大規模な金融恐慌に発展しました。

東京渡辺銀行は休業、全国の銀行に預金をおろすための人が押しかけ、政府は全銀行の2日間休業と3週間の支払猶予を決定しました。その間に25億円分のお札を印刷し、全国の銀行に配ることで騒動をおさめようとしたのです。

しかし、当時の最高額紙幣は百円札で3週間で2,500万枚もの数を印刷するのではとうてい間に合いません。そこで、急遽裏面を印刷しない粗雑な二百円札を作ったのです。

これにより取り付け騒ぎはおさまったものの、粗雑な作りの二百円札は偽札扱いされるなどのトラブルもあったらしく、その後は積極的に回収されそのほとんどが処分されました。

現存する裏白札は希少価値が高く、非常に高額で取引されるそうです。筆者が確認した範囲では200万円以上で取引されることもあるようですね。

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