桃太郎は桃から生まれていなかった!なぜ主人公が桃から生まれる話ができたのか? | 今日の雑学

桃太郎は桃から生まれていなかった!なぜ主人公が桃から生まれる話ができたのか?

歴史の雑学
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桃太郎といえば、日本でもっとも有名な昔話といって良いと思います。主人公の桃太郎はおばあさんが川でみつけた大きな桃から生まれるものと決まっています。

しかし、桃から人が生まれるなんてなんとも不思議な話ではないでしょうか?昔話だから現実的な話でなくてもまったくおかしくありませんけど、それにしてもなぜ桃なのだろうかと思いませんか?

実はもともとの話では桃太郎は桃から生まれていなかったのです。

桃太郎のもとになった話は、誰が作者か不明ですが、室町時代ころに成立したと考えられているようです。それから長い間に少しずつ改変されたり、いろいろなバリエーションが生まれたものと思われますが、江戸時代までは桃から桃太郎が生まれるという話はありません。

もともとの話ではおばあさんが持ち帰った桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返るのです。そして、若返ったおじいさんとおばあさん、いや、若返ったのだからおじいさんとおばあさんじゃなくて若夫婦ですね。その若夫婦が夜の営みをして子供が生まれるというわけです。

なぜ桃で若返ったのかというと、桃は不老長寿の力を持つ不思議な果物と考えられていたからでしょう。桃の原産国は中国と考えられています。その古代中国由来の考え方で桃は延命長寿、不老不死のシンボルとなっています。桃の伝来と一緒にそうした考え方も伝わったのではないでしょうか。

では、なぜ今は桃から生まれる話になったのでしょうか?

明治時代のことです。近代化により学校教育が始まり、現代のような教科書が作られるようになりました。その教科書で桃太郎の話が採用されたのです。

ところが、また幼い子供向けに話に「性行為で子供が生まれる」という話をそのまま載せるわけにはいかないということになり、その部分を思い切って省略したところ、桃から生まれたことになったというわけです。

最近は昔話などの内容がマイルドに書き換えられているという話を聞きます。残酷な描写や性的な描写を削除して、例えば桃太郎なら鬼を退治して宝物をうばうのではなく、説得で反省した鬼と仲良くなるみたいな終わり方になっているというのですね。

しかし、実際には明治時代ころからこうした改変は行われていて、最近になって急にそうした改変が多くなったわけでもないようです。

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