神秘に満ちた天文写真。果てしなく大きく、人智の及ばない宇宙はときに恐ろしく、ときに妖しく、そして美しいものです。
近年では天体望遠鏡の発達、特にハッブル宇宙望遠鏡のような宇宙望遠鏡の誕生で、これまで人類が見ることができなかった遠くの天体も撮影することができるようになっています。
しかし、そうした天文写真ではモノクロの画像をコンピューターで加工して着色しているものが多いということを知っていますか?
より遠くの天体、小さな天体、光が弱い天体をきれいに撮影するために使用されるのはモノクロのカメラ。モノクロなのでカラーでの撮影はできませんが、そのぶん感度がよく長時間の露光が可能で天文写真の撮影に向いているんですね。
ところがこれでは天体の色がわかりません。そこで三色分解フィルターといって赤色や青色など特定の色だけを通すフィルターを使ってそれぞれの色の写真を撮影して、コンピューターで処理してカラーの写真にしているのです。
こうした天文写真に使われるカメラは人間が見ることができる可視光線(波長が約390~750ナノメートルの光)以外の光(紫外線や赤外線など)も撮影できます。また、研究の都合で強調したいポイントをより見やすいように着色することもあるそうです。
そのため、できあがる画像は人間が肉眼で見るのとは違ったものになります。天文写真にはこんな秘密があったんですね。