稚魚はモジャコ、少し成長するとワカシ、さらにイナダ、ワラサ、最後はブリ。というふうに、成長とともに名前が変わる出世魚。同じ魚なのに名前が変わるのはなぜなのでしょうか?
出世魚の特徴は、成長が早く1年でもサイズや味が変わったり、成長に応じて住む場所や習性が変わったりするものが多いことです。
多くの魚は産卵の時期が決まっているため1年周期で成長の度合いを考えることができます。出世魚は同じ時期でも生まれて1年目、2年目、3年目で一回り以上サイズが違うものが多いのです。
それだけサイズが違うと、同じ魚でも味が違い、向いている調理法なども変わってきます。同じ魚でも商品価値がまったく違うということですね。
そのため、名前を分けて区別したほうが便利というわけですね。
ところで、出世魚は、成長とともに出世する魚というところから、縁起が良いと言われています。
名前が変わることをなぜ出世というのでしょうか?
それは、昔は出世をすると身分に応じて名前を変えることがあったからです。今でも歌舞伎などの伝統芸能の世界では一人前になると先代の名前を受け継ぐ襲名なんて文化がありますね。
まぁ、魚にとっては人間がかってに決めた出世など嬉しくもないでしょうけど。