死刑で死ななかったらそのまま釈放されるというのは本当なのか? | 今日の雑学

死刑で死ななかったらそのまま釈放されるというのは本当なのか?

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死刑で死ななかったら無罪となってそのまま釈放されるという話を聞いたことはないでしょうか?

実は明治時代に死刑執行後に蘇生した人物がおり、その後、すでに刑は執行されているからとの理由で再度死刑となることはなく、自由の身となったことがあるのです。

その人物は田中藤作といい、伊予松山藩(現在の愛知県付近)で起きた暴動の際に租税事務所に火をつけたことにより逮捕され死刑となりました。死刑執行後に親族が亡骸を引き取り、棺桶に入れて運んでいたところ、途中で蘇生し、生きて自宅のある村に帰り着いたのです。

田中が蘇生したことは村人たちによって届けられたのですが、死刑になった罪人が蘇生するなどという事件は前代未聞であったため、どの様に対処するべきか決まりません。

そのため中央政府の判断となったのですが、返ってきた指示の文書は「スデニ絞罪処刑後蘇生ス、マタ論ズベキナシ。直チニ本籍ニ編入スベシ」というものでした。この中央政府の指示にしたがって、田中は釈放となったのです。

なお、田中以外にも死刑執行後に蘇生したケースはあるようですが、田中以外のケースではその後どの様に処理されたのか記録が残っていないそうです。

なぜ死刑を執行した後に蘇生するなどということが起こったのかというと、当時の死刑の方法に理由がありました。

江戸時代までは死刑というと首を切断する斬首でした。それが明治に入り絞首刑に変わりました。

当時のやり方は今と違い、首に掛けた縄の反対側に重りをつけ、数分して死相がでたら縄を解くというものでした。ところが、心肺停止後すぐに縄を解くと蘇生する可能性があるのです。

現在では、死刑のさいには30分以上時間をかけ、そのままの状態で死亡を確認して、さらに5分経過してから縄を解くようになっており、手順どおりに執行されれば蘇生する可能性は理論上ないということです。

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