雷って雲から落ちてくるものだって思ってませんか?落雷っていうくらいですしね。
でも実は雷は上から下に落ちるだけでなくて、下から上に昇っていくこともあるんですよ。
雷ってご存知の通り電気の塊です。この電気が流れる向きは電気のプラスとマイナスの性質によって決まります。
そもそも、電気の流れは一般にプラスからマイナスに流れると思われていますが、実際にはマイナスからプラスに向かって流れています。原子の中にはマイナスの電荷を持つ電子があって、これがプラス極に引き寄せられることで電気が流れるのです。
電流がプラスからマイナスに流れるというのは、昔、電気の正体がまだよくわかっていなかった頃にプラスからマイナスに電流が流れるものと仮定して理論を組み立てていた頃の名残です。
雷が発生するのは雲のなかにプラスとマイナスの電荷の偏りがあるためです。雲のなかにあるちりや水、氷の粒がぶつかりあったときの摩擦や、氷の粒が分裂したりすることで電荷が発生します。
雲のなかではプラスの電荷は上に、マイナスの電荷は下に溜まります。そして、一定以上の強さになると、雲から地面に向かって目に見えないような小さな電流が流れます。これが地面に到達すると電気の通り道ができ、今度は地面から雲に向かって大きな電気の塊が一気に昇っていくのです。
そんなわけなので雷は落ちるものではなくて昇っていくものというわけですね。
とはいえ、実際には雲にあまり厚みがなかったり強い風で雲の形が崩れたりするとプラスの電荷のほうが地面に近くなることもあり、落ちるときも昇るときもあるというのがもっとも正しい答えになりますね。