2001年、中央インド洋海嶺の「かいれいフィールド」と呼ばれるエリアで、鉄の貝殻を持ち、貝殻の口からのぞく足はこれまた鉄の鱗で被われているという、スゴい貝が発見されました。
その貝の名前は「ウロコフネタマガイ」。深度2000メートル以上の深海に住む貝で、サザエなどと同じ巻き貝です。大きさは大きいもので4〜5センチメートルくらいなのでそれほど大きな貝ではないですね。
ウロコフネタマガイの殻は、タンパク質やカルシウムといった一般的な貝殻と同じ材質でできた層の上を、硫化鉄の層が被っています。また、貝殻の口からは柔らかい足が出ていますが、その足の周りは、これまた、硫化鉄でできた鱗で覆われていています。
ウロコフネタマガイを覆っている硫化鉄は強度的にも優れたもので、この殻と鱗で外敵から身を守っているんですね。
ウロコフネタマガイは深海では黒に近い色をしているそうですが、採取されて空気に触れると錆びて少しずつ褐色に近くなっていきます。また、磁石を近づけるとくっつくということで、鉄でできているのがよくわかります。
自然の生き物の中に鉄の鎧を持つ生き物がいるというのはビックリですね。
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