車両用の赤・黄・青の3色の信号機。あの信号機には縦向きのものと横向きのものがあります。これは地域によって違っていて、雪が多い地域では縦向きのものが使用されています。
横向きの信号機では雪が上に積もってしまうため、信号が見にくくなったり、場合によっては雪の重みで信号機が落下してしまう可能性もあります。
縦向きであれば雪が積もる面積が少なくなるので、雪が積もる対策になります。雪が積もらないように傾斜をつけたカバーがついている信号機もありますが、この場合も縦向きの方がカバーが小さくて済みます。
では、雪が多い地域以外では横向きのものが主流になっているのはなぜでしょうか?
縦向きの信号機であればポールに垂直に設置できてカンタンです。横向きにするとポールから横に持ち出して設置しなければいけないので、そのためのアームも必要になりますし、そのぶん負荷も大きくなり強度が必要です。
実は横向きの信号機は世界的に見ても珍しいもので、日本のほかでは韓国くらいにしかないそうです。それもそのはず、もともと横向きの信号機は日本発祥のもの。京都に設置されたのが初めてと言われています。
横向きの信号機が開発されたのは、道路の端にポールを立てて垂直に縦向きの信号機を設置した場合、建物などに隠れて見えにくいという問題がおきたからです。狭く入り組んだ道路や、道路上に突き出した看板、街路樹などの影響で信号機が隠れてしまうのです。
ポールから車道側に持ち出して横向きの信号機を設置すれば、障害物に隠れることもなく、見やすいということで、横向きの信号機が開発されたのです。
以降、日本では横向きの信号機がスタンダードになり、雪の対策に一部地方で縦向きの信号機が設置されるようになったのです。
ちなみに、最近ではLEDを光源にした信号機の開発が進み、薄くて軽い信号機がでてきたため、雪の多い地域でも横向きの信号機が増えています。本体が薄ければ横向きでも雪が積もる心配はありませんからね。