今やインターネットではトランプで検索するとアメリカ大統領の情報ばかり出てきますが。。。トランプといえばカードゲームの王様ですよね。
ちなみに、カードゲームに使うトランプを英語だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、トランプは和製英語で、海外では通じません。英語ではプレイングカード(playing cards)又は単にカード(cards)です。
一部のカードゲームではトランプカード(trump cards)と呼ばれるものがありますが、これは「一番強いカード、切り札」といった意味です。
日本でトランプという呼び方が定着した理由は諸説あるようですが、カードゲームをしていた外国人がゲーム中に「トランプ」と言っていたのを聞いてカードそのものをトランプと呼ぶようになったと言われています。
ところで、トランプの「スペードのエース」のカードだけマークが大きくて派手なのはなぜか知っていますか?
今回の記事の冒頭の写真は僕が持っているトランプから適当にいくつか選んでスペードのエースを並べたものです。どれも大きなスペードのマークが中央に描かれています。
このように「スペードのエース」のカードだけマークが大きくて派手になったのはかつてのイギリスで実施されていたトランプへの課税が理由です。
トランプはギャンブルに使われることが多く、古くから多くの国で規制の対象となったり販売や製造が課税の対象となっていました。日本でも1989年に消費税が導入されるまでトランプ類税という税があってトランプ一組60円の課税がされていました。
イギリスでトランプに課税するようになったのは17世紀頃のことでした。それからきちんと税金を納めた証として、スペードのエースのカードにスタンプが押されるようになりました。
しかし、税金を納めていない密造のトランプが作られるようになり、納税の証であるスタンプも偽造されるようになりました。そこで、偽造防止のためにスタンプも徐々に複雑なものになり、さらにスペードのエースだけは政府で印刷するようになりました。
つまり、スペードのエースのマークが大きくて派手なのは、デザインを複雑にして偽造を防止しようとしたイギリス政府の苦労の証というわけですね。
もちろん現在ではイギリスでもスペードのエースを政府が印刷するようなことはなく、メーカーが自由にデザインしていますが、スペードのエースはマークが大きくて派手なものというイメージが定着しているため、どのメーカーもそれにならっているんですね。