サンドイッチは、イギリスの貴族、第4代サンドウィッチ伯爵のエピソードにちなんで名前がついたと言われています。サンドウィッチ伯爵は大のギャンブル好きで終始カードゲームに明け暮れていて、カードゲームをしながら片手で食べられるようにサンドイッチを作ったというのです。
ところが、このサンドイッチの語源のエピソードはあまり正確なものではないようです。
そもそもサンドウィッチ伯爵のエピソードは1700年代後半ですが、その時点ではすでにサンドイッチに類する食べものが賭博場で食べられるようになっていたようです。なので、サンドウィッチ伯爵が発明したというのは間違いでしょうね。
また、当時のサンドウィッチ伯爵は国務大臣の要職も務め、かなり多忙な人物だったようで、ギャンブル好きというのも一部のゴシップネタが広まったのではないかということですね。
ただ、サンドイッチが賭博場で食べられていたというのと、サンドウィッチ伯爵がギャンブル好きという噂が組み合わさって、サンドイッチという名前になったのではないでしょうか。
サンドイッチとにた話で、日本でも鉄火場で食べられた食べ物として鉄火巻が生まれたという話があります。鉄火巻はマグロを具にした細巻きのお寿司ですね。
鉄火場というと賭博場のこと。サイコロや花札で賭けに熱中している人たちが片手でパパっと食べられるようにと、細巻きの寿司が鉄火場で定番のメニューになったというわけですね。
ただ、この鉄火巻きの語源が鉄火場から来ているというのも、明確にデマとは言い切れないものの、かなり怪しい話です。
鉄火巻の他にも、名前に鉄火のつく料理は、赤味噌にゴボウや大豆を混ぜて練った鉄火味噌や醤油を入れて炊いた鉄火飯などがありますが、いずれも共通しているのは色が赤いことです。
鉄火とはもともと熱して熱くなった鉄のこと。そこから赤い色の食べ物の名前に鉄火という言葉が使われるようになったというわけです。鉄火巻も赤いマグロが具ですから、そこから鉄火巻になったと考えるのが自然ですね。