はちみつは永遠に腐らない!?エジプトのピラミッドから3300年前のはちみつが見つかったのは本当か? | 今日の雑学

はちみつは永遠に腐らない!?エジプトのピラミッドから3300年前のはちみつが見つかったのは本当か?

この記事は約3分で読めます。

はちみつは水分をほとんど含まず、糖度が80%以上と高いため殺菌作用があって、長期間保存しても腐ることはまずありません。他のものと混ぜないことと衛生面だけ気をつけていれば常温保存でも大丈夫なため永遠に腐らないなんていわれることもあります。

はちみつが腐らない根拠として有名な逸話があります。エジプトのピラミッドで3300年前のはちみつが食べられる状態で見つかったという話です。はちみつ界ではとても有名な話みたいですね。

しかし、いくらはちみつが腐りにくいとはいえ、3300年も放置されていたものが食べられるものでしょうか?仮に腐っていなくても変質して食べられないのではないでしょうか?

そこで、今回はこの3300年前のはちみつの話について調べてみました。

そもそも3300年前のはちみつの話の出処はどこなのでしょうか?

どうも渡辺孝という方が書いた「ハチミツの百科」という本にそのエピソードが紹介されているらしいということがわかりました。

著者の渡辺氏のプロフィールを調べてみると、明治40年に創業し日本で初めて養蜂を専業化した渡辺養蜂場や、東洋蜂蜜株式会社の社長を歴任し、国際養蜂学会で座長も務めたことがある、日本のはちみつ界の権威です。「ミツバチと人間」「ハチミツ特効食」「ローヤルゼリーの科学」など、養蜂やはちみつに関係する本をたくさん書かれています。

「ハチミツの百科」も1971年に発刊された本ですが、2003年には新しく新装版が出版されているロングセラーです。こんな本に紹介されたエピソードであれば事実として広まっても不思議ではありません。

そこで、「ハチミツの百科」を図書館で借りて確認しました。すると22ページからの章に「古代エジプトとハチミツ」という章があり、3300年前のはちみつに関するエピソードが書かれていました。

一九一三年にアメリカのT=M=デーヴィスという考古学者がエジプトのピラミッドを発掘したとき、三千三百年前のハチミツのかめを発見しました。さっそくフタを取ってみると、とても三千年以上も昔のものとは思われないほど高い香りが立ち上ったのに驚いたと彼は書いております。もちろんはちみつは全然変質していませんでした。

出典:ハチミツの百科(渡辺孝著)

まさに3300年前のはちみつが変質もせず(食べられる状態で)発見されたというエピソードですね。

しかし、このT=M=デーヴィスのピラミッド発掘とは実際の話なのでしょうか?

調べてみたところエジプトの観光省のサイトにこのT=M=デーヴィスのピラミッド発掘の話の元になってのではないかと思われる情報をみつけました。英語なのでGoogle翻訳を頼りに読んでみます。

彼はまだ液体の内容(当初は蜂蜜と誤認されていた)のアラバスター水差しを発見したときの彼の感覚を説明している内側:「これを見たとき、私は本当に気絶しそうになった….朝食に食べる蜂蜜のように液体でベトベトした蜂蜜のポットを見ていると、それでも3千5百歳という驚異的な感覚は、とてもumb然としたものだった。まるで怒っているか夢を見ているように感じた」ワイガルは、そのように影響を受けるデイビス党の唯一のメンバーではなかった。

出典:Tour Egypt(エジプトの観光省のサイト)をGoogle翻訳にて翻訳

読んでわかるとおり、発見当初ははちみつと誤解されていたということですね。実際にはミイラを作るときに使う薬品の一種ではちみつではなかったようです。つまり、当初は3300年前のはちみつがみつかったと思われたものの、今は否定されているということですね。

このときの話が日本に伝わり、権威のある本で紹介されたために事実として広まったというところでしょうか。

というわけで、どうもエジプトのピラミッドで3300年前のはちみつが食べられる状態で見つかったというのはどうも事実ではなさそうですね。

タイトルとURLをコピーしました