「鯖を読む」の鯖は魚の鯖だけど、なぜ数字を誤魔化すことが鯖なのか? | 今日の雑学

「鯖を読む」の鯖は魚の鯖だけど、なぜ数字を誤魔化すことが鯖なのか?

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数字をごまかすことを「鯖を読む」といいますね。個人的には年齢や体重をごまかして、実際より若く言ったり、痩せているように思わせる場合によく使われている気がします。

鯖を読むの鯖は魚の鯖です。なぜ魚の鯖を読むことが数字をごまかすことにつながるのでしょうか?

いくつか説はあるようですが、最も有名なのは次の説でしょう。

江戸時代、鯖はたくさん採れるものの痛みやすく、市場では大量の鯖を急いで取引する必要があったのです。そのため、大量の鯖を急いで数えるので、数を間違えることが多かったのですね。または、目分量でザッと計測して取引していたという話もあります。

いずれにしても鯖の取引では数が合わないことが多かったことから、数字をごまかすことを鯖を読むというようになったということです。

ところでこんな言葉の由来になるくらい鯖は傷みやすいのですが、これはなぜでしょうか?

多くの魚は(哺乳類などにも共通しますが)死ぬとまず死後硬直を起こします。その後、魚自身が持っている酵素によりタンパク質が分解される自己消化がはじまります。この自己消化のときにイノシン酸などの動物性のうま味成分が作られます。とれたてよりも熟成させたほうが美味しいなんていわれるのはこのためですね。この段階をすぎると腐っていきます。

鯖はほかの魚に比べて死後硬直の時間が短く、自己消化のペースも早いため、もともと腐りやすいのですが、それよりも自己消化のときに出る毒素が問題です。

鯖は筋肉の中にヒスチジンというアミノ酸を豊富に含んでいます。このヒスチジンは必須アミノ酸のひとつで人間の体にはなくてはならない重要な栄養素のひとつです。しかし、自己消化のときに、鯖の体内にいる細菌が活性化してヒスチジンをヒスタミンという毒素に変えてしまうのです。このヒスタミンによってじんましん、頭痛、嘔吐、下痢などの症状がでる中毒になってしまうのです。

しかし、ヒスタミンが発生する魚は鯖だけではありません。現在の統計では、ヒスタミン中毒の被害は鯖よりもカジキやマグロ、ブリのほうが多いんですね。それでも鯖が昔から足の早い魚の代表とされるのは、冷蔵・冷凍の技術がなかった時代にカジキやマグロなど遠洋漁業で採れるような魚が庶民の口に入る機会は少なかったからでしょう。

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